2025年(令和7年)4月施行 改正雇用保険法 「出生後休業支援給付」について
2025年(令和7年)4月1日より雇用保険法が改正され「出生後休業支援給付」が新たに創設されます。
出生後休業支援給付のポイントについて簡単に解説いたします。
目次
・出生後休業支援給付とは
・出生後休業支援給付の支給要件
・出生時休業支援給付の支給金額と計算方法
・出生後休業支援給付の支給額のイメージ
・出生後休業支援給付金の支給申請手続について
出生後休業支援給付とは
出生後休業支援給付とは、従来の育児休業給付に上乗せされて給付される給付です。育児休業を取得することで収入が手取りで8割程度に減ってしまうということから、特に男性では育児休業を取得しづらいということがありました。出生後休業支援給付によりある一定期間に所得をカバーすることで手取りの10割※を実現し、男女ともに育児休業の取得を促進するという狙いがあります。
※ 育児休業中は申出により健康保険料・厚生年金保険料が免除されます。また勤務先から給与が支給されない場合は雇用保険料の負担もありません。加えて育児休業等給付は非課税です。これにより、休業開始時賃金日額の80%の給付率で手取10割相当の給付が実現されます。ただし、休業開始時賃金日額には上限額があることにご留意ください。
出生後休業支援給付の支給要件
- 被保険者が、対象期間※に、同一の子について、出生時育児休業給付金が支給される産後パパ育休または育児休業給付金が支給される育児休業を通算して1 4日以上取得したこと。
- 被保険者の配偶者が、「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日 」までの期間に通算して14日以上の育児休業を取得したこと。
※ 対象期間
- 被保険者が産後休業をしていない場合(被保険者が父親または子が養子の場合)は、「子の出生日または出産予定日のうち 早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日 」までの期間 。
- 被保険者が産後休業をした場合(被保険者が母親、かつ、子が養子でない場合)は、「子の出生日または出産予定日のうち 早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して16週間を経過する日の翌日 」までの期間。
つまり、「出生後休業支援給付」の対象となるためには、子の出生直後の一定期間内に、夫婦がともに14日以上の育児休業を取得する必要があります。
出生後休業支援給付の支給金額と計算方法
出生後休業支援給付金の支給額 = 休業開始時賃金日額※1 × 休業期間の日数(28日が上限)※2× 13%
※1 同一の子に係る最初の出生時育児休業または育児休業の開始前直近6か月間に支払われた賃金の総額を 180で除して得た額。
※2 支給日数は、対象期間における出生時育児休業給付金または育児休業給付金が支給される休業の取得日数であり、28日を上限とする。
従来の(出生時)育児休業給付金の支給額に加えて最大で28日分の出生後休業支援給付金が支給されます。
ただし、休業期間中に一定額以上の収入があると、支給額が減額される場合があります。
出生後休業支援給付の支給額のイメージ

出生後休業支援給付金の支給申請手続
- 出生後休業支援給付金の支給申請は、原則として、出生時育児休業給付金または育児休業給付金 の支給申請と併せて、同一の支給申請書を用いて行うこととなります。
- 出生時育児休業給付金または育児休業給付金の申請後に、出生後休業支援給付金の支給申請を別途行うことも可能ですが、その場合は、出生時育児休業給付金または育児休業給付金が支給された後に申請することとなります。
まとめ
出生時休業支援給付についてポイントとなる点を簡単に解説しました。詳しくは厚生労働省ホームページでご確認いただくか、お近くの専門家にご相談ください。
参考
厚生労働省:「育児休業等給付の内容と支給申請手続」